心をもち、そして猛烈に恋してみる

2012-05-01 (火)

デザイン 地方公務員 読書

「アップルのデザイン/日経デザイン」を読んでいたら、1998年にスティーブ・ジョブズが社員に向けて書いた文章が出てきた。もう10年以上前に書かれたというのに、ほとんど色あせていない。なんと本質を突いた言葉なのだろう。

 

 世界中から最大級の賛辞を浴びている企業には、

 共通していることが1つある。

 ー 彼らは何かを象徴する存在だということだ。

 

 世界は変わり、マーケットは変わる。

 そして彼らの商品もまた、変わる。

 だがその核となる理念だけは、変わらない。

 

 ディズニーやソニー、ナイキのように、

 アップルもまた世界中の人々から愛され、

 尊敬を受けている企業だ。

 

 なぜ愛されるのか、

 それは私たちが「心(soul)」を持っているからだろう。(以下略)

 

 

残念ながら、唯一色あせてしまったのは「ソニー」のくだり(涙)。ぼくがあれほど愛したソニーは、数年前から「心」を失ったかに見える。それでも、ディズニー、ナイキ、そしてアップルの今の有り様が、「心」を持ち続けていれば、商品が変わっても愛されることを証明している。それは自治体であっても同じことではないか。

 

*************

 

自治体の担当者が「心」を持つということは、つまりは「地元を思う」ということだ。そんなの当たり前、と思うなかれ。意外と「ちゃんと思う」ことができない職員は多いものだ。

 

理由はいろいろとあるだろうが、ひとつには「地元を知っている」という思い込みがある思う。本当はそこに「いる」だけなのかもしれないのに、時間の積み重ねが「知っている」と思い込ませてしまう。たとえば、雇用対策という仕事をしていたとしよう。職業安定所の人や、経済団体や、労働団体の人たちとお付き合いをする。いろいろな話をする。すると、「ああぼくは雇用というテーマについてはよく知っている」と思ってしまう。

 

でもね、当然だけれども、仕事で繋がりのある人だけが「地元の人」なのではない。むしろごく一部の人でしかない。つまりは自治体の「中の人」だからと言って、本当にその地元を知っているかどうは別問題で、頭でっかちになって「知っているつもり」であることも多いのだ。

 

このように「知っているつもり」にならないためには、いろいろな現場に出ていくしかない。直接、「地元の人」の中に出ていき、「地元の人」たちと交流する。職業や立場や年齢に関係なく、現場を共有する。あるいは、現場に触れ、食べ、遊ぶ。それは仕事を通じてだけでなく、地区の活動や子どもの学校活動、あるいは趣味の世界でも何でもいい。とにかく会う・話す・語る・見る・使う・食べる・さらに呑む(笑)。そういう現場の日々の積み重ねが、「地元」というものに対する知識なり経験なりをより深め、またより広い世界へと導くのだ。

 

…ここまでやって、ようやく「自治体の担当者」としての資質、つまりは「中の人」として「外の人」と対峙するための資質が整うのだと思う。闇雲に「思う」だけではなく、肌感覚として、自分自身が地元人としての最大公約数だったり、最小公倍数を身につける。その上で、「だからこそ、こうあって欲しい我が地元」を思い描く。それこそが自治体担当者としての「心」ではなかろうか。

 

そんな「心」が持てれば、あとは「外の人」と猛烈に恋をしてみればよい。受け身ではない、むしろ捨て身の恋を(つづく)。

 

 

[12.04.30]

・朝から仕事へ。8:30-17:30。ランチは「詩季」へ。

・「アップルのデザイン/日経デザイン(日経BP社)」★★★★。

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